夕食後、今日も温泉へ行こうと自転車で走っていたら、
子猫が道に横たわっていた。
あ、はねられたんだ、と思った。
触れるのを一瞬躊躇したけれどどこからも血は流れてなくて、
もしかしたら死んではいないのかもしれない、と思ったけど目が開いていて、
まだほんのり温かかったけど、死んでいた。
ふと道路脇の畑を見たら、もう少し大きな猫がこちらを見ていた。
子猫はすごく柔らかくてグニャリとしていて、まぶたを閉じようとしたけど閉じられなかった。
落ちていた瓦の破片で畑の端を掘って、土をかぶせた。
深く掘れなかったので、雨が強く降ったらすぐさらされてしまうかもしれない。
掘っている間に、死んだ子猫より少し小さいヤツが走り出してきた。
きっと大きいのが親猫で、こいつと死んだ子猫が兄弟だったろう。
親猫がずっと見ていた。