道を歩いていたら、
自転車に乗った子供が塀に向かって垂直に、
塀と前輪が接した状態で静止していた。
すごくシュールだと思った。
T字路の足の方から来てそのまま横棒まで直進してしまったようだ。
自分でその状況をどうにかしようという意識が子供には一切ないようで、
じ…、とサドルに乗っかっていた。
ハンドルを握る手の力の入り具合と前傾姿勢から、
塀に止められるまでと連続した運動中であるらしいことが分かった。
そんな馬鹿なと思った。
手ハンドルと足ペダルとお尻サドルのコドモ自転車だった。
しばらく見ていたらお母さんが来て、
ほらー!自分で降りて、向きを変える!!
と子供を叱った。
子供はハッとして子供単体に戻った。
子供にとっては物同士を分けている線が曖昧で、
自転車なんかともすぐ繋がってしまう、んだっけ、いや私はそんなじゃなかった。
いくら接着したってベリッとはがせちゃってそしたら、というか最初から、ずっと別々だ。